健康知識 精神病

■家庭医・医学教育研究者の省察的実践録: 精神疾患患者の健康格差をなくすには(part 1) https://wannabeafamilyphysician.blogspot.com/2016/11/part-1.html
 ニューヨークの疫学者Benjamin Malzbergは1932年に,精神疾患がある人はない人と比べ,他の因子を調整した群どうしで比べても.寿命が平均して14-18年短いという研究結果を発表した.この死亡率の格差はいまも残存しており,下手すればもっと悪いことになっている.2006年のアメリカの研究では,その差は13-30年と推測される.さらにいえば,この格差は全世界に広がっている.

家庭医・医学教育研究者の省察的実践録: 精神疾患患者の健康格差をなくすには(part 3) https://wannabeafamilyphysician.blogspot.com/2016/12/part-3.html
ある研究によると,入院患者302人のうち,治療について同意する能力が欠如している割合は40%であるのに,治療チームは25%程度であると過少に認識していた.


■「被害者支援」を軽々しく口にする人たちの特徴 | 災害・事件・裁判 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース https://toyokeizai.net/articles/-/354713
PTSDからの回復にはどのようなものが有効なのでしょうか? 社会的コストの手法の1つとして費用対効果分析というのがあります。イギリスの研究者Ifigeneia Mavranezouli氏の研究結果を紹介します。

成人期の患者のPTSDの回復において最も費用対効果が高かったのは「EMDR」(適応的情報処理というモデルに基づいた心理療法)、そして「複合した認知療法」「サポート付きセルフヘルプ」「SSRI」(抗うつ薬の一種)などが続くのですが、「カウンセリング」は「何もしない」よりも実は順位が低い結果となりました。つまりカウンセリングより無治療のほうがマシということです。


■社員の死は「会社のせい」と言い切れるのか?検死医が明かす遺族と人事部の“覆い隠された苦悩”|悶える職場〜踏みにじられた人々の崩壊と再生 吉田典史|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/43915?page=8
高木その職業について私はわからないが、もしかすると地域的な要因も何らかの影響を与えているのかもしれないと思うことがある。たとえば、私の知人の医師が勤務する大学病院はかつて精神病院だった。その地域は当時は田舎で、人があまり住んでいなかった。

その病院の付近には、精神科に通う人やその家族、さらに入退院を繰り返す人が住むようになった。そうした環境の中で結婚などをする人が増え、家族となり、やがて人口が増えていった。ところが、その地域に住む家族の中で、新たに精神疾患になる人が現れるようになった。知人の医師は、「その地域は周辺と比べても、重い精神疾患になり、不幸にも死を選ぶ人が多いように思える」と話す。


統合失調症は兄弟姉妹でも起きてくるか? | Medエッジ https://www.mededge.jp/a/psyc/18736
 研究グループは、子どもの時期に統合失調症を発症した人と兄弟姉妹の脳画像を比べて検証した。

 脳のMRIによって、子どもの時期に統合失調症を発症した人の12歳から24歳の脳の画像について調べている。

 その上で、統合失調症ではない兄弟姉妹について時間とともに脳に同じ変化が現れるかを比べた。

 統合失調症ではない兄弟姉妹は、成長中に脳の働きに似たような遅れが見られた。

 その変化については、発育は通常の若者に追いついていった。

 精神的な異常があっても脳の回復力で問題が起きてこない。そうした変化の秘密を調べると治療につながるかもしれない。研究グループはそのように見ている。


盲目であることは統合失調症から人を守るという可能性が研究で示される - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20190211-blind-schizophrenia/
西オーストラリア大学の研究者によって、1980年から2001年までの報告の中に皮質盲の患者が統合失調症を発症するケースがゼロだったことが明らかになりました。このデータは西オーストラリアで暮らす46万7945人の子どもを対象としたもので、全体の0.4%にあたる1870人の子どもが統合失調症だと診断されていました。サンプル全体のうち66人の子どもは皮質盲でしたが、統合失調症患者は一人もいなかったとのこと。

この研究はサンプル数が非常に大きいこと、そして統合失調症に関する新しい側面を示している可能性があることで注目を浴びています。

「先天的な皮質盲をケーススタディーで観察した結果、保護現象があることがわかっていました。そして今、我々が保証する慎重な臨床調査によるデータは、この結果を支持しています」と研究者たちは述べています。

ただし、「証拠がないことは『存在しないこと』の証拠ではない」といわれるように、この調査結果は「皮質盲が統合失調症を減らすカギになるという証拠」を示すものではないという点には注意が必要とのこと。また今回の調査は14~35歳の人々を対象としており、人生の後半に統合失調症を発症する人はデータに含まれていません。

盲目であることと統合失調症の関係は今後のさらなる研究を必要とする分野ですが、現段階では「統合失調症患者において機能不全がある部分、つまり音の認識や注意力、記憶力、そして言語使用をカバーする部分の力を、先天性の盲目は増大させている」という仮説が立てられています。一方で、周辺視野障害の患者も統合失調症となる確率が通常に比べて少ないことが示されましたが、周辺視野障害は皮質盲と違って脳を変化させません。


幼少期に犬を飼っていた人は統合失調症のリスクが最大55%も少なかったという調査結果 - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20191226-dog-childhood-lower-risk-schizophrenia/
その他のリスク要因を排除して結果を分析したところ、幼少期に犬と接触していた人は、統合失調症になるリスクが24%も低かったことが判明。また、生まれた時点ですでに犬を飼っていた人においては、統合失調症になるリスクが55%も少なかったと研究チームは述べています。

(中略)

なお、今回の研究においては、犬を飼っていたことが双極性障害のリスクに与える影響や、猫が統合失調症および双極性障害のリスクを変動させるといった結果は出ませんでした。かつて、「幼少期に猫を飼っていた人は統合失調症になるリスクが高い」といわれたこともありましたが、2017年に発表された論文では、猫と統合失調症になるリスクの関係性は否定されています。


■緑の少ない場所で育った子どもは精神疾患のリスクが55%も高い - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20190228-green-space-mental-health/
最も緑地レベルの低い場所に暮らす子どもたちは、緑地レベルの高かった子どもたちに比べ、他のリスク要因を考慮しても精神疾患にかかるリスクが55%も高かったそうです。


■CNN.co.jp : 創造性の「暗黒面」 抑鬱や狂気が天才を生み出す? - (1/3) http://www.cnn.co.jp/career/35044129-2.html
スウェーデンカロリンスカ研究所のシモン・クヤガ氏の研究チームは、約120万人に及ぶ精神科患者とその親族を調査。ダンスや写真など、創造性が要求される分野で活動している人は、双極性障害を発症する可能性が8%ほど高いことが明らかになった。この傾向は特に作家に顕著で、一般よりも121%増大する。


■オバケは、あなたの脳内にいる:研究結果 Page2 « WIRED.jp http://wired.jp/2014/12/25/robot-ghost/2/
例えば以下のことを考えてみて欲しい。健常者にとって自分自身をくすぐるのは非常に難しいだろう。どうくすぐられるのかが事前にわかると、人はこそばゆさを感じないものなのだ。しかしフリスの発見によると、統合失調症の患者には自分自身をくすぐることが可能だという。これは、患者自身が始めた動作を、あたかも別の何かが起こしたもののように認識するためだと考えられている。同じように脳障害を持つ人々は、自身の心の声を何らかの存在に置きかえて認識してしまうのかもしれない。妄想症が頻繁に起こるゆえんである。


カジノ法案とギャンブル依存。の巻‐雨宮処凛がゆく!-第333回 | マガジン9 http://www.magazine9.jp/article/amamiya/18813/
まず、日本のギャンブル障害者は536万人。韓国や米国と比べて3〜6倍。しかも、国内のアルコール依存の109万人、ネット依存の421万人より多いのだ。そんな日本には、世界のギャンブル機器の64%があるのだという。
 男性というイメージが強いギャンブル依存だが、女性の場合も深刻だ。有病率は男性8.7%、女性1.8%とやはり女性の方が少ないが、


東京新聞:窃盗症は治療を 「服役しても改善できぬ」:社会(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014111602000104.html
国内の万引犯に占める窃盗症患者の割合ははっきりしていないが、米国では、窃盗で摘発される者のうち4〜24%が窃盗症に該当するとの推計もある。窃盗症の治療を専門に行う赤城高原ホスピタル(群馬県渋川市)の竹村道夫院長(69)は「日本でもそれなりの数がいるのでは」との見方を示す。


■「酒飲みのことを何故左党、左利きというのか?」について考える - 団塊オヤジの短編小説goo https://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/e/80d2bca9e34788711a62e6d1eafa44a6
某大学の医学部でアルコール依存症患者二十数名について調べたところ、アルコール依存症患者の左手にはある共通の特徴が見られたとのことです。

人差し指には、同心円型や蚊取り線香型の指紋の出現率が、普通の人よりも2割以上も多かったそうです。

小指の渦状の出現率は3割を超えたそうです。

また左手親指の付け根の膨らみ、拇指球部にヘアピン状の紋(パーム・サイン)が多く、出現率は普通の人の倍以上になっていたそうです。

さらに小指の付け根や薬指と小指の間にも、このパーム・サインがある人が多かったとのことです。


■精神神経学雑誌 20213 VOL.115 https://www.jspn.or.jp/huge/108_symposium.pdf
SS34
 また精神疾患の多くは,子どもの頃から何らかの症状を呈しているといわれる.例えば,米国における 9,000 名以上を対象とした精神疾患の生涯罹患率と初回発症年齢を調査した結果では,不安障害,気分障害,衝動性障害,物質使用障害の障害罹患率は 46.4%であり,そのうち 50%は 14 歳までに発症し,75%は24歳までに発病するといわれている4).
 精神疾患は発症時から典型的な診断基準を満たすような症状が揃うわけではない.Poultonら9)は早期精神病を調査していく上で,精神病様体験(Psychotic‒Like Experiences:PLEs)は重要な概念であることを示している.この PLEs は,下記の項目のうち,1 項目でも「あった」または「あったかもしれない」と答えた場合,「PLEs あり」と
評価する.
①超能力などによって,自分の心の中を誰かに読み取られたことがありましたか?
②テレビやラジオから,あなただけにメッセージや暗号が送られてきたことがありましたか?
③誰かに後をつけられたり,こっそり話を聞かれたりされていると感じたことがありましたか?
④他の人には聞こえない「声」を聞いたことがありましたか?
 この PLEs を用いた調査によると,11 歳時点にPLEs を体験した子どもを追跡調査すると,25%が 26 歳までに統合失調症様障害を発症しており,オッズ比が 16 となった.
また,90%が 26 歳時点で社会適応や就労が困難な状況になっていた.
また逆に,26 歳時点で統合失調症様障害に罹患している成人のうち,42%が 11 歳時点で PLEs を経験していたと報告されている.
また,11 歳から 18歳までに幻聴体験を有していた者のうち 44%が 8年後に何らかの精神科的診断に該当していたという報告もある2).

SS44
世界保健機関(WHO)精神保健部が計画した DOSMeD 研究に参加した先進国および発展途上国における統合失調症の発生率は,長崎を含む先進国の間でほぼ一致して 2.0 を中心とした値となっている.
SS46
DOSMeD 研究に参加した先進国および発展途上国における統合失調症の発生率は,狭義の統合失調症に限定すると,長崎を含む先進国の間でほぼ一致して,2.0(1 万人対)を中心とした値となっている.
 さらに,長崎における未治療期間(Duration ofUntreated Psychosis:DUP)の結果については,平均値は 9.9 ヵ月±17.23(男性 8.2±11.39,女性12.02±22.3)であるが,中位値が男女とも 4 ヵ月であった.この DUP については,中位値の 4 ヵ月より短い方が,有意により良い長期転帰(1 年,2年,10 年,28 年後転帰)をもたらすことが確認さ
れている10,14).