原作の有るアニメ映画の感想

点数:
分類:
粗筋:
総評:




アリオン 令和4年3月6日 3/5
ハデスに唆されたアリオンは母の為にゼウスを殺しに行き双子の妹レスフィーナと出会う
盲 唖 ギリシャ神話 戦争 兄弟 双子 親殺し イヤボーン 恋愛 近親相姦 拷問 実は女

原作未読
・母親デメテルの目を治すという当初の目的はゼウス討伐に向かいレスフィーナと出会った以降は忘れられ、レスフィーナ救出が目的にすり替わっている。ゼウスはアポロンに殺されたが、デメテルの盲目の呪いは解けたのか。
アリオンは事情が有るとは言え近親者を中心に大勢殺している。ティターン一族が近親相姦と家族殺しの一族なので、ゼウスが親殺しを大罪と設定した事は我が身可愛さが理由とは言え一族を保つ為には正解。
・白目が多い。
・文字は白くて細くて読み難い。
・キャラクターデザインと声優とセリフ回しは原作者が参加していた『機動戦士ガンダム』っぽい。黒の獅子王シャア・アズナブルは仮面を被った謎の味方という点が似ている。
・物語は駆け足。
・偶然セネカと出会い、偶然アテナ軍に捕われ、偶然レスフィーナに出会い、偶然ポセイドンに捕われ、偶然ハデスと再会し、偶然ギドと再会し、偶然ポセイドンが殺された事でアテナ軍が勝ち、と偶然が多い。
セネカは『海のトリトン』のトリトンと服が似ている。
・レスフィーナは『未来少年コナン』のラナと似ている。
・作画の質は高いが口パクのずれが多い。みんな耳の形は簡単。

アリオンは成長するとパンツを履いている。
・レスフィーナが何故アリオンを助けたのか説明が無い。アリオンと双子の妹レスフィーナが互いに好き合った理由は、近親者を愛する特徴を持つティターン一族としての性なのかと思ったが、アリオンティターンでは無かったと明かされた。
・砂浜に頭から落ちるセネカは首の骨が折れそう。
アリオンはアテナと狙っていたのにアポロンを相手にし偶然再会したハデスを殺し、人を殺すに際し一貫性が無い。
・黒の獅子王アリオンがハデスに攫われた時点で助けてあげた方がアリオンの為ではないか。
アポロンは「ティターンの性に似ず近親者にはまるで興味が無い」と述べてアテナを拒否していたが、父ゼウスの弟ポセイドンと姉デメテルの娘レスフィーナもいとこではないのか。アポロンが何故レスフィーナに拘泥していたのかは謎の儘だが、ティターンとしての超能力に気付いていたのか。
・ギドはヘラクレスと入れ替わりに退場したが、雷筒を引く際に戻っている。
アリオンは寝惚けて父ポセイドンを殺した事を「罠に嵌められ」と他人のせいにしている。アリオンが寝惚けさえしなければ、ポセイドン軍はアポロンを含めたゼウス軍を倒していたのではないか。レスフィーナも巻き添えで殺されていたかも知れない。
・戦への激は、単なる惚気語りであって大勢が賛同し命を預ける内容では無い。目の前の子供が誰の子であるかはみんな信用できるのか。
・奴隷が回す歯車
・実は女 セネカ
アリオンは子供でしかないセネカを何故戦場へ連れて来たのか。
アポロンやアテナに良いように扱われていたか弱い乙女のレスフィーナが突然宙を舞い、諸悪の根源であるガイアをあっさり殺す活躍と死は唐突。
エートス夫婦はアリオンにとって母パンドラ繋がりの祖父母だが、自覚は持っているのか。エートスは「アリオン殿、あなたは本当は」と言いかけて落ちて行ったが、アリオンが孫だと知っていたのか。


■100万年地球の旅 バンダーブック 令和3年9月9日 2/5
宇宙人に育てられた地球人のバンダーは地球を目指す
兄妹 宇宙人 義理の妹 恋愛 王 タイムスリップ コンピューター 兄弟 ロボット 変装
手塚治虫作品のキャラクターが多数登場しているが原作とは関係が無く異なる性格や設定で登場させている。話は一々教育的。壮大な物語を詰め込み過ぎ。

手塚治虫作品特有の不定形生物。
・ギャグは悉く滑っている。話を楽しむ上で雑音でしかない。
・ムズは可愛い。
・どの星でも言語が通じている。
・宇宙船での距離単位はマイル。
ブラックジャックは22歳。
・音楽は『ルパン三世』と似ている。

・尻尾狩りなんてやっていれば事故で生き物を死なせる事は当然有り得る事なのに不条理に罰せられようとしている。
・バンダーの星はバンダーの乗って来た脱出カプセルを作るだけ科学力は無いが地球が宇宙侵略をしているという情報は知っている。
・2100 地球人「ふるへ行ったにしてはおかしいな」とはなんと言っているのか。
ブラックジャックはバンダーに興味を持ったのに何故途中の星に捨てているのか。
・バンダーは銃を初めて見たのに性質を知っている。
・酒場には女物の服と鬘が有る。
ヒッチコックの『鳥』、エッシャー
プテラノドンと戦う場面で棍棒プテラノドンの顔の重ね間違い、吸血鬼の乗り物の描き間違いが有る。
・シリコン一家の吸血鬼は太陽光を浴びて服が灰に成っているのにマントだけは残っている。
・しゃらくは4本指。
・ピンクの動物にいつの間にかムズという名前が付いている。何故ミムルは黙ってムズとして付いて来ていたのか。
・バンダーがマリーナ姫と再会した際にはセリフが一部途切れている。
・2015年の地球は文明が発達している。
・1:27:00 ブラックジャック「こう成るのもみかれてたさんさたっしゃでな」とは何と言っているのか。


海底超特急 マリン・エクスプレス 令和3年9月9日 2/5
武器密輸に悪用される海底鉄道が設計者に爆破されかける
人種差別 幽霊 ムー帝国 ロボット サイボーグ 女王 武器商人 宇宙人 男装

マリンエクスプレス編とムー帝国編を混ぜている。
・前作より作画がぐっと良く成っている。
・製作者一覧は上から下に流れる。
・今作のロックは純粋な善人。

・ナーゼンコップ博士はボルトの緩みをマイナスドライバーで整えている。
・1億円は50万ドル。
・海底鉄道は海底火山に耐えられるも鮫にやられている。
・『2001年宇宙の旅』の様な人工頭脳の反乱。
・『スーパーマンに因んだ』クリプトリプトン惑星、「まるで指輪物語だ」、『スーパーマン』に因んだ「鳥か」「飛行機か」「いやスーパーレオだ」
・女王は服が色っぽい。
・「君良かったら僕の妹に成らない」


フウムーン 令和3年12月7日 1/5
スター国とウラン連邦が対立する中暗黒星雲が迫り新人類フウムーンが動物と逃げ出す
新聞記者 金持ち 戦争 ノアの方舟 動物 兄妹
・作品中の地球人口は60億人。
・バイクに乗っているヒゲオヤジとケンイチの身体の重なり、ガス雲を見て苛立っているがまたの手で作画間違いが起きている。
・1:08:00 「だいあそ打ち上げなんてわかったものじゃない」とはなんと言っているのか。
・ロック、タバスコ、ろっかくは特に活躍しないのだから登場させる必要は無かった。
・メカデザインだけはかなり凝っている。
・物語は大味。環境保護反戦思想が強く説教臭い。十分につまらないと言える。
・ヒゲオヤジがロココを助けなかったら物語が終わっていた。


■風を見た少年 平成30年8月31日
点数:2/5
分類:冬至 祭り 軍隊 狐 鳥 親子 物理学者 超能力 飛行船 オカリナ 女装 漁 ボーイミーツガール レジスタンス 気違い
粗筋:両親が事故死したアモンは熊に出会った後モニカに拾われレジスタンスと共に光遊びの力でブラニックを倒す
総評:芸能人ばかりが声優を務めているが違和感はあまり無い。登場者にも物語にも魅力が無い。鑑賞に耐える点は作画だけ。アモンには一貫した自分の意志というものが無く行き当たりばったりで行動している。

原作未読
第一次世界大戦時の科学力が有り、古代の遺産を手にした子供が超能力で浮かび、軍人が子供を襲い先祖の地を探すという点は『天空の城ラピュタ』と似ている。原作は同作より3年前に発表されている。
・ブラニックは左耳、マリアは両耳に耳輪を着けている。何か意味が有るのか。

・村は東南アジアや南米風。銃は100年前に封印したらしいがみんな銃の使い方を知っている。訓練だけは行っていたのか。


マイマイ新子と千年の魔法 平成29年2月8日
原作未読
点数:2/5
分類:山口県 転校生 金魚 イマジナリーフレンド 自殺 
粗筋:戦後10年の山口県の小学校にて東京都から転校して来た女子生徒と金魚を飼う
総評:作りは丁寧だがはっきりした起承転結や本筋というものが無く何を伝えたいのか分からない。如何にもな売れない映画。保健の先生の結婚、金魚の死、たつよしの父の自殺、祖父の死、主人公の引っ越し等実体験を元にしている為だろうが展開が唐突。当時の風俗がよく調べられてはいるが、よく調べた事をわざとらしく見せ付けている。イマジナリーフレンドや1000年前の空想は特に物語に関わりは無かった。

・学校生活はあまり描かれない。
・学年の違う男子生徒と女子生徒が仲良く金魚を飼うという世界観は不自然。田舎だから金魚位しか娯楽が無いのか。
・保健の先生が既婚者相手に失恋してやけに成って結婚したからといってそれがどうしたという気がする。一々幻滅するみつるはませている。
・バーカリフォルニアの店員はみんな良い人間として描かれているが、たつよしの父がここの博打が原因で自殺した事は事実なのか。

・声優はみんな下手。主人公の妹役と母親役だけはまだまし。
・みんな性格が記号的。主人公は不自然に純粋で嘘臭い。
・主人公が「みんなええ人ばっかりっちゃ」と言っている通り悪人はこの作品には出て来ない。

・「うるせえ」「てえへん」
・住共銀行
・舞台は戦後10年。
・転校生は主人公席。
・「ほーたーちょきさん」
・「うーっ」
・主人公は転校生とすぐ打ち解けている。
・自殺 鈴木たつよしの父 首吊り 借金が有るから
・「ぐさ、ぐさ」
・父親が自殺した翌日には子供が親戚の下に引っ越している。母親は子供が可哀想な目で見られる事を避けようとしたのだろうが、親戚の方にそんな余裕が有るのか。


人狼 JIN-ROH 平成28年2月4日
原作未読
点数:2/5
分類:警察 共産主義 恋愛 裏切り 密偵
粗筋:過激派に対抗する特機隊を公安部が潰そうと色仕掛けで隊員の一人を過激派一味に仕立てんとする
総評:見た目や設定は格好良いが話がよく分からない。公安部や特機隊や警察組織の関係が分かり難い。狼というより狐と狸の化かし合い。伏を騙す公安部を特機隊が騙している。何故公安部は女を囮にしたり銃撃戦迄して特機隊を潰したいのかが分からない。伏が女にほいほい引っかかる軽い男でなければ話が成り立たない。

・聞き取り難いセリフが多い。
・「にうすででがかれ」とは何と言っているのか。
・下水道は破壊活動にしか使われない様な無駄に立派で都合の良い構造をしている。
・自殺 赤い服の少女 自爆 警察に捕まりかけたから
・下水道を壊す位の爆発なのに強化装甲服のおかげで打撲程度で済んだとされている。
東西新聞、週刊民衆
・「ごろんぼう」
・姉は不思議ちゃん。死の間際にも赤頭巾を朗読している。


■アシュラ 平成25年2月24日
原作既読
・映画館の映画を6年かその位久し振りに見た。
・技術賞は与えて良いが、尺が短く深みも見応えも無い。登場人物も事件も原作から大きく削られている。
・75分という短編作品なのに予告編が長かったので見所は何度も観て覚えてしまっている。
・明るい画面と暗い画面が極端。
・EDの歌は全然合っていない。
・アシュラは歯が多い。セリフは少ない。
・結局最後に坊主が引き取る事に成るのなら、最初に出会った時に坊主が引き取っておけばこれだけの大事件は起きなかったのではないか。
・地頭は息子も馬も自身も殺され、悪役の様に描かれながら完全な被害者。
・アシュラが川に落ちた際の出血量はアシュラの体積に対して多過ぎないか。
・原作に有った辛さや苦悩や恐怖は殆ど無くなって感動作品に仕立て上げられてしまっている。完全に若狭と二人の物語と化している。
・わざわざアシュラという作品を選んでいるのに、映画という不適切な媒体な為、案の定残酷描写は削られている。若狭が人肉と言われた肉に飛び付く場面を改変して若狭を極端に立派な人間にした為、苦悩と同時に作品の深みが半減してしまった。
・アシュラが出家するという結末だけは原作者の意図通りになっている。


河童のクゥと夏休み 平成25年5月18日
原作未読
・主人公が異世界の住人と出会い騒動に巻き込まれつつ友情を育む、という筋書きは特に変わった内容ではない。作りは丁寧だがやはり全体的には子供向けで観ていて退屈。
・一家はクゥとの出会いから発生した諸問題に終始振り回されっ放しで、一番重要なクゥの取扱問題をキジムナーが横から解決してしまった様に、基本的に物語の客体に据えられている。自分達で解決できた問題が何も無い。カタルシスに乏しく娯楽作品を見ているという気分に成れない。
・劇中でクゥは悪意の無い疫病神であるかの様に扱われ、一家は碌でも無い夏休みを味わっている。食費は嵩む。飼い犬は轢き逃げされる。主人公は友達に嘘をついてしまう。友達からの仲間外れは継続中。友達は河童を見せてくれなかった事をずっと恨むだろう。世間の好奇の目はクゥの移住迄続く。父親は取引先の要望に従った結果クゥを苦しませてしまっただけでなく、その後も番組を台無しにしクゥを逃した事で取引先からは批難された事だろう。報道機関に囲まれたせいで会社を休んだりもしている。
・・一家のその後が描かれたとしたら、夏休み前より辛い生活に成っている筈だ。その意味で『河童と人間は一緒に暮らしていけない』というクゥの言葉が真実だったとは言える。
・主人公の成長が描かれている様でいて目に見える変化は無い。『夏休みに友達を助ける一人旅に出る』という展開は何か起こりそうな気にさせるが、得られたのは座敷童子からのここ100年は河童を見ないという情報のみ。この旅はクゥを意気消沈させるだけに留まってしまった。
・クゥの父の乾燥した腕は死んだ犬を助ける薬に成るのかと思ったがそんな事はなかった。
・テンポが早くて澱み無く話が進む。
・東京タワーに登る展開はよく分からない。登らせる意味は有ったのか。東京タワーから飛び降り自殺を試みる展開は同監督の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』と同じ。
・主人公と父親は河童をどう飼うか、飼うとどうなるのか何も考えずに出て行こうとするクゥを無計画に引き止めている。気持ちは分かるが、今後発生する諸問題は全てこの判断に起因し、自業自得に思える。
・主人公には河童の事を打ち明けられる親友は居ないのか。
・クゥは聞き分けが良く自分の状況を受け入れて我儘を言わない。
・クゥが帰る展開は唐突。原作は知らないがこれは夢落ちと同じ位頭を使っていない脚本に見える。

制作
・主人公が転んだ時、右足に脱げた筈の靴が描かれていた。
・顔の表情の変化が写実的に描かれている。
・子供と母親の描写はとても自然。
・背景音楽は如何にも子供向けの曲も有る一方で子供向け作品では滅多に聴かない曲も選ばれている。座敷童子は100年以上生きているらしいが、歌は昭和中期の曲風。

設定
・主人公の男の子と妹と犬という家族構成や背景の人間の顔の描き方は同監督の『クレヨンしんちゃん』と同じ。『クレヨンしんちゃん』主演声優も脇役として出演している。
・石の中から見付けた昔の生物の仲間を探す旅という点は『ドラえもん のび太の恐竜』と似た設定。
・小学生を一人で泊めてくれる旅館が有るのか。
・河童や座敷童子に年月の間隔が有るのか。暦は理解できるのか。
・河童と龍は人間に見えるのに座敷童子は見えないのか。
・母親はクゥの食費に頭を悩ませていたが幾らなのか。毎日刺身を食べるのか。
・プール帰りの子供達はみんな同じ靴を履いている。