地震の体験を長文で、且つ早く書き出したいのでブログを開設する。

平成23年3月11日

・15時手前、地震が起こる。初めはいつもの様な小さい地震だと楽観視していて、2ちゃんねる地震スレッドにでも投稿しようかと考えていたが、次第に27年間の人生で体験した事の無い程の大きさになる。何よりもまず机の本棚の上に積み重ねてある本が崩れ落ちない様に机の上に下ろす。
・あまりに揺れが大きいので大事をとって外に避難する。近所の人も同じく外に非難していた。老人が多い。皆慌てている。新田のおばさんに今迄でこれ程大きな地震を体験した事が有るかと聞くと無いと答えられる。近くで家の建築作業をしている人達も作業を中断している。
・玄関の戸を開け放したまま近所を軽く歩いてみる。2階の道路沿いに窓ガラスがある家はどこも危険に感じる。1分位外に出た後、揺れが収まって来たので家に戻る。数十秒家の戸を開け放したまま外出したので火事場泥棒が来ないかと不安になるが、近所の人はみんな表に出ているのでそんな中で泥棒なんて来ないだろうと考えておく。
・冷蔵庫を開けた時、冷蔵庫の上に置いてあったグラタン用ガラス容器が落ちてきて左肩に当たる。自室に戻ると、本棚の上に積み重ねていた本やビデオテープ、机の上に積み重ねていた箱や本が床に落ちていた。枕元の懐中電灯やフィギュアも殆ど布団の上に落ちていた。
・家の中の各部屋を見回る。居間は積み重ねられたチラシが散乱していた。画面が上を向くように傾かせて置かれていたテレビが転がっていた。
父の寝室を見に行く。案の定積み重ねられていたダンボールが隣の布団の上に落ちていた。
父の部屋は押して開ける蝶番式の戸の奥に何かが落ちたらしく、戸が開けられなかった。おまけに蝶番は部屋の内側に有る為、蝶番を外して戸を外す事も叶わない。
・臨時の対策として、部屋の戸を開け放す、財布と鍵を手元に置く、台所の戸棚の上に置いてあるホットプレートとやかん等を床に下ろす、廊下のダンボールの上の扇風機を床に下ろす、等の行動を取る。風呂の浴槽は元々水が張ってある為問題無い。
・揺れが来る前にはゴゴゴゴという小さな重低音が響くので対処が取り易い。いざという時すぐ外に出られるように足が痺れる様な座り方は避ける事にする。
・15時20分前また大きな揺れが有りまた外に避難する。揺れが大きいと浮遊感すら有る。外を歩いている間も大きな揺れは感じるが、2階の自室で感じていた小さな揺れは感じない。小学生が集団下校していた。
・15時8分、消防車のサイレンが聞こえる。15時41分、上空をヘリコプターが飛んでいる。市川市役所からの放送が流れるが音質が悪くて聞き取れない。この頃には落ち着いてきて、ニコニコ生放送を見る余裕も生まれる。16時過ぎ、救急車のサイレンが聞こえ始める。救急車のサイレンは22時になってもまだ聞こえる。
・16時、父から安否確認の電話が来る。電話の音質が悪くて聞き取り難いが無事を伝える。23時、母の姉の長谷川さんから安否確認の電話が来る。柴又の祖母とは連絡が取れたが母の携帯電話には通じていないらしい。
・停電が怖いので夕食は冷蔵庫の生ものを片付ける事にする。肉を焼こうとするがガスが点かない。ツイッターの情報を参考にしてガスメーターのボタンを押して安全装置を解除させる。ガスが点く様になると、まるで何か文明の灯りに接した様な小さな感動を覚える。


・規模も未体験の大きさだが、揺れる時間の長さもこれまでに無い。揺れが収まったと思った途端にまた揺れ始める。横揺れも縦揺れも有る。強風で窓が揺れるが、地震で揺れているのかあまり区別が付かない。18時を過ぎて揺れは落ち着いて来るが、24時近くになっても微震は続く。
・千葉県市川市でもかなり大きな地震だったので震源地が東北である事を知り驚く。俺が思わず避難し始めた千葉県市川市の揺れは震度5弱程度に過ぎなかったらしい。

市川市市川市災害ポータルサイト http://www.city.ichikawa.lg.jp/cri01/1111000030.html
14時46分 震源地:三陸沖 マグニチュード8.4の地震が発生しました。

   市川市の震度は、5弱です。

日本経済新聞のウェブサイトの地震とは無関係な記事に緊急地震情報が挿入されていて、これは異常事態だと思わずそのページを保存する。
・テレビ番組で報道された千葉県市原市コンビナートの大火災は怪獣映画の様である。宮城県かどこかで、何台もの自動車が津波でどんぶらこと流されている映像は滑稽に感じてしまった。まさかあれの一台一台に人が乗っているとは思えないが、果たして乗っていたのだろうか。
地震が起きたのが昼間だったからまだ良かったものの、真夜中に起きていたら避難すら難しいだろう。金曜日に発生した点も、被害が軽微な人達が土日に仕事を休んで知り合いの安否確認や情報収集を行える余裕が有るという意味では良かったかも知れない。
・この地震被害は周辺国にも津波という形で及んでいるらしい。若しかしたら日本の救援にまで手が回らないかも知れない。最近ニュージランドでの地震に被災した日本人は恐らくもう帰国しているだろうが、短期間に二度続けて大地震に遭った事になる。何とも大変な事だ。
民主党政権間で災害が起きたら絶対ろくな対処はとれないだろうと民主党政権発足時に不安を感じていたが、口蹄疫に続いてまたそれが起きてしまった。
・今日の16時の放送大学は『都市と防災( 08)第6回「気象災害とその対応」◇東京大学教授・目黒 公郎』で、明日の放送が丁度『都市と防災( 08)第8回「進化する地震災害と被害の連鎖関係」◇目黒 公郎』となっている。
・今日の深夜1時55分には魔法少女まどかマギカが、明日の10時にはケロロ軍曹が放送されるが、災害情報が上に重なっての放送になるのだろうか。と思っていたら、魔法少女まどかマギカの放送は中止になった。特別番組挿入での放送中止や災害に関する表現規制が今後心配である。あれだけ開催の是非で揉めた東京国際アニメフェアはやはり開催中止だろうか。
・大切な漫画が床に落ちたり色々驚かされた現状でも、まだ地震経験者に過ぎず被災者ではないからか、地震に対する感想は面白さ7割、不便さ3割で精神的には余裕が有る。身近な事件としての衝撃は3年前の秋葉原通り魔事件の方がより重くより身近に自分の災難として感じられる。